2026年10月18日 · 応用設定 · 約10分

v2rayNのLAN接続設定|スマホ・タブレット・テレビでPCのプロキシを共有

v2rayNのLAN接続を有効にして、PCのIPアドレスと10808/10809ポートを設定する方法を解説。ファイアウォールや接続できない場合の確認手順も紹介します。

この記事のポイント

まずPCでノードの接続を確認し、v2rayNのLAN接続を有効にします。その後、Androidスマホ、タブレット、テレビのHTTPプロキシに、PCのLAN内IPv4アドレスを設定します。Windows PCを共有元として、混合ポートと旧バージョンの独立したHTTPポートの違いを説明し、待ち受け状態、ネットワーク、ファイアウォール、アプリの順に問題を切り分けます。ポート番号は現在の設定を確認し、記事中の例だけを見て入力しないでください。

1. LAN内でプロキシを共有する仕組み

この機能はPCにプロキシの接続先を用意するもので、PCをルーターにするものではありません。接続する端末側でこの接続先を使う設定が必要です。PC上のv2rayNは、現在のルーティングルールに従って、直接接続するかプロキシ経由で接続するかを選択します。そのため、PCの電源が入り、プロキシコアが動作していること、スマホとPCが相互に通信できることが必要です。

端末のアプリ LAN内の接続先 コアのルーティング 接続先のサービス

PCの「システムプロキシを自動設定」は、PCのシステムプロキシ設定に従うアプリにのみ適用され、スマホにプロキシ設定を配布するものではありません。TUNモードもこの方法の必須条件ではありません。ローカルのHTTPまたは混合インバウンドが正常に待ち受けていれば、LAN内の端末から送られるプロキシリクエストを受け付けられます。

2. LAN接続を有効にして、実際のポートを確認する

v2rayNで「設定」→「パラメーター設定」を開き、「LANからの接続を許可」を有効にして、ローカルの待ち受けポートを控えます。バージョンによって設定項目の分類やポート構成が異なる場合があります。保存後、画面の案内に従ってコアを再起動してください。案内がない場合は、クライアントを終了して再起動し、待ち受け状態を確認します。

10808
よく使われる混合ポートまたはSOCKSポート(種類の確認が必要)
10809
一部旧バージョンの独立したHTTPポート
127.0.0.1
現在の端末からのみアクセスできるループバックアドレス

新しい設定では、HTTPとSOCKSの両方を受け付ける混合インバウンドを使う場合があり、一般的なポートは10808です。一部旧バージョンでは、SOCKSが10808、HTTPが10809に設定されています。ポート番号だけではプロトコルを判別できません。AndroidのWi-Fi設定でHTTPプロキシを指定する場合は、HTTPまたは混合インバウンドのポートを入力してください。SOCKS専用の接続先は指定できません。

実際の待ち受けタイプ接続端末での設定方法確認するポイント
HTTPインバウンドWi-Fiの手動プロキシに該当ポートを入力旧バージョンでは10809が一般的。実際の設定値を確認
混合インバウンドHTTPプロキシとSOCKS対応アプリで同じポートを使用可能10808が一般的。現在のコア設定を確認
SOCKS専用インバウンドSOCKS対応が明確なアプリ内で設定Wi-FiのHTTPプロキシとしては使用不可

結論:インバウンドの種類を確認してからポートを入力

現在の設定が混合ポート1つだけなら、そのポートを使います。旧記事に合わせて10809を追加で開放する必要はありません。独立したHTTPインバウンドが設定されている場合は、その実際のポートを使用してください。

3. PCのIPアドレスを調べ、スマホやテレビに設定する

Windowsターミナルでipconfigを実行し、現在ネットワークに接続している「ワイヤレス LAN アダプター Wi-Fi」または「イーサネット アダプター」のIPv4アドレスを確認します。切断中のアダプター、仮想マシンのネットワークアダプター、TUNアダプターは選ばないでください。以下の192.168.1.20はLAN内での設定例です。実際にはPCの現在のアドレスに置き換えてください。

ipconfig

混合インバウンドの設定例

プロキシモード
手動HTTPプロキシ
ホスト名
192.168.1.20
ポート
10808
適用条件
10808が混合インバウンドであることを確認済み

ホスト名にはIPアドレスだけを入力します。http://やポート番号は付けません。

独立したHTTPインバウンドの設定例

プロキシモード
手動HTTPプロキシ
ホスト名
192.168.1.20
ポート
10809
適用条件
10809がHTTPインバウンドであることを確認済み

実際に待ち受けている場合のみ、このポートを使います。

  1. Android端末で「設定」→「ネットワークとインターネット」→「インターネット」を開き、現在接続中のWi-Fiの詳細または編集画面に進みます。端末によっては「Wi-Fi」内に設定項目があります。
  2. 「詳細設定」を開き、「プロキシ」を「手動」に変更します。PCのIPv4アドレスと、HTTPまたは混合ポートであることを確認したポートを入力して保存します。
  3. まずブラウザーで目的のWebページにアクセスします。テスト中はモバイルデータ通信を一時的にオフにし、別のネットワーク経由でリクエストが送信されないようにしてください。
  4. テレビに「ネットワーク」→「現在のネットワーク」→「プロキシ設定」がある場合も、同じようにアドレスとポートを入力します。システムに設定項目がなく、アプリ側にもプロキシ設定がない場合は、この方法をそのまま適用できません。

スマホの127.0.0.1はスマホ自身を指し、PCのアドレスではありません。0.0.0.0は待ち受けに使うワイルドカードアドレスであり、接続先として入力する値ではありません。PCがネットワークに再接続するとアドレスが変わることがあります。安定して使うには、ルーターのDHCP設定でPCに固定リースを割り当て、設定後にアドレスを再確認してください。

4. Windowsファイアウォールで許可する(信頼できるネットワークのみ)

LAN接続を有効にしても、Windowsファイアウォールが他の端末からのアクセスをブロックすることがあります。まず現在の家庭内ネットワークが信頼できることを確認し、「設定」→「ネットワークとインターネット」→現在接続中のネットワークのプロパティを開いて、ネットワークプロファイルを「プライベート」にします。会社、ホテル、公共のホットスポットを、プロキシ共有のためだけに信頼できるネットワークへ変更しないでください。

  1. 「セキュリティが強化された Windows Defender ファイアウォール」を検索して開き、「受信の規則」→「新しい規則」を選択します。
  2. 「ポート」を選択し、プロトコルにTCPを指定します。「特定のローカルポート」には、混合インバウンドの10808など、実際に使用するポートだけを入力してください。
  3. 「接続を許可する」を選び、プロファイルは「プライベート」だけにチェックを入れます。ルール名は用途がわかるものにします。
  4. 作成したルールの「プロパティ」→「スコープ」を開き、リモートIPアドレスを「ローカルサブネット」に制限するか、接続を許可する端末のアドレスにさらに絞り込みます。

このTCP許可設定は、この記事で扱うHTTPプロキシ接続向けです。すべてのUDPアプリでプロキシを共有できるという意味ではありません。別のファイアウォールやエンドポイントセキュリティソフトを使っている場合は、その受信ルールも確認してください。ファイアウォールをすべて無効にすることを恒久的な解決策にしないでください。

5. 待ち受け、ネットワーク、プロキシリクエストの順に切り分ける

設定を変更する前に、問題がどの段階で起きているかを確認します。PC自身でWebページを開けても、正常なのはPC内の接続経路だけかもしれません。ブラウザーが直接接続している可能性もあるため、スマホからPCのプロキシ接続先まで到達できているとは限りません。以下のコマンドでは10808を例にしています。独立したHTTPポートを使う場合は、実際の番号に置き換えてください。

1. 共有元のPCで待ち受けアドレスを確認する

Get-NetTCPConnection -State Listen |
  Where-Object { $_.LocalPort -in 10808,10809 } |
  Select-Object LocalAddress,LocalPort,OwningProcess

PowerShellで結果を確認します。127.0.0.1はPC自身のIPv4でのみ待ち受けている状態、0.0.0.0はすべてのローカルIPv4インターフェースで待ち受けている状態です。LAN内の具体的なアドレスが表示される場合は、そのインターフェースだけで待ち受けています。::と表示される場合は、IPv4で接続できるか実際に試してください。この表示だけでデュアルスタックの動作は判断できません。該当ポートが見つからない場合は、まずコアの起動失敗、ポートの競合、設定の保存状態を確認します。

2. 別のLAN内PCからTCP接続をテストする

Test-NetConnection -ComputerName 192.168.1.20 -Port 10808

LAN経由で接続できるか確認するには、別のWindows PCでこのコマンドを実行します。結果のTcpTestSucceeded : TrueはTCP接続が確立したことだけを示し、プロキシプロトコル、ノード、接続先のWebサイトがすべて正常であることを保証するものではありません。Falseの場合は、順にPCのIPアドレス、ファイアウォール、ゲストネットワークの分離、PCのスリープ状態を確認してください。Pingに応答がなくても、ICMPがフィルタリングされている場合があるため、それだけでプロキシが使えないとは判断できません。

3. HTTPプロキシリクエストを明示的に送信する

curl.exe --proxy http://192.168.1.20:10808 --connect-timeout 5 --max-time 20 --head https://example.com

このコマンドは別のWindows PCでのテスト用です。アドレスは共有元PCの実際のIPアドレスに置き換えてください。ここで指定するURLはテスト対象であり、ノードのアドレスではありません。接続拒否の場合は待ち受け状態とファイアウォールを確認します。タイムアウトの場合はネットワーク経路を優先して調べてください。接続できてもプロキシリクエストに失敗する場合は、インバウンドのプロトコル、現在のノード、ログを確認します。HTTPステータスコードは今回のリクエスト結果を示すだけで、経路全体の速度測定にはなりません。

6. プロキシ共有でよくある質問

同じWi-Fiなのにスマホが接続できないのはなぜ?

まずスマホがゲストネットワークに接続していないことを確認し、ルーターのAP分離やクライアント分離の設定を調べてください。PCが有線、スマホがWi-Fiでも共有できますが、有線と無線のネットワーク間で相互通信が許可されている必要があります。同じネットワーク名でも、端末間の通信が分離されていないとは限りません。

10808と10809の両方を試しても接続できないのはなぜ?

「設定」→「パラメーター設定」に戻り、実際のインバウンドポートを確認してから、待ち受け状態をコマンドで調べてください。PC自身に限られたアドレスでしか待ち受けていない場合は、LAN接続を許可する設定を再適用します。ポートが変更されている場合は、一般的な番号を試し続けず、変更後の値を使ってください。

Webページは開けるのに、テレビの動画アプリがプロキシを使わないのはなぜ?

テレビのアプリがシステムのHTTPプロキシに対応しているか確認してください。アプリによっては独自にネットワーク接続を確立し、システムのプロキシ設定を参照しません。その場合はアプリ内にプロキシ設定がないか確認します。該当する設定がなければ、PCのシステムプロキシやルーティングルールを変えても、その通信が自動的にPC経由になることはありません。

PCを再起動したらスマホがネットにつながらなくなった場合は?

v2rayNとコアが起動していること、PCのIPv4アドレスが変わっていないこと、現在のネットワークがプライベートになっていることを順に確認します。スマホに手動プロキシ設定が残っていても、PCが接続先を提供していないと、その設定に従うアプリは通信に失敗することがあります。共有を一時的に使わない場合は、Wi-Fiのプロキシ設定を「なし」に戻してください。

PCのプロキシ経由なら、DNSも必ず同じ経路になりますか?

必ずしもそうではありません。HTTPプロキシは宛先をドメイン名で受け取り、PC側で処理できますが、アプリが独自に名前解決を行ったり、プロキシを迂回したりする場合もあります。まずブラウザーでプロキシ経由のリクエストを確認し、コアのログで宛先とアウトバウンドを調べてください。Wi-Fiのプロキシ設定だけで端末全体のDNS通信が切り替わるわけではありません。

7. 長期間使う場合のチェックリスト

日常的に共有する場合は、接続方法を増やすより、接続先を安定させることを優先してください。PCのスリープ、Wi-Fiの切り替え、DHCPによるアドレス変更、コアの終了は、PCに依存する端末の通信を中断させます。問題発生時には、複数の設定を何度も変えるより、実際のポートとPCのアドレスを記録しておくと復旧しやすくなります。

v2rayNをダウンロードOSに合ったクライアントを選択